①こども110番の充実と子どもの安全の取り組みについて
織田勝久
私は、事前に通告をいたしました3点、新総合計画について、こども110番について、コミュニティービジネスについて、一問一答で質問をいたします。コミュニティービジネスについては新総合計画の中でお聞きいたします。
早速、恐縮でございますが、順番はこども110番を先に質問させていただきます。去る3月19日朝に、登校しようと家を出たばかりの中学1年生の女子中学生が、近づいてきた男に刃物で顔を傷つけられる、そのような事件が発生いたしました。残念ながら犯人はまだとらえられていないようでありますが、この事件以降、登下校における児童生徒の安全の確保に対し、教育委員会の対応をお伺いいたします。
教育長(河野和子)
3月19日に起こりました中学生への傷害事件についての御質問でございますが、被害を受けた中学生が在籍する学校より教育委員会に連絡を受け、所管する警察署に事実確認をいたしました。その後、学校と協力し、生徒の安全確保を図るとともに、校長会連絡網を活用し、市内の学校を初め、幼稚園や保育園等、教育関係機関にも情報を提供いたしました。また、児童生徒等の登下校時における安全確保について注意を促す指示を出すとともに、所轄の警察署にパトロール強化を依頼し、安全の確保に努めてきたところでございます。各学校におきましては、集団下校させるとともに、教職員、保護者等が警察と連携を図り、学区内の巡回を行う措置をとり、児童生徒等の安全確保に努めてまいりました。
教育委員会といたしまして、それ以降も、学校、家庭、警察、地域の方々と連携を密にとるよう働きかけ、児童生徒等の安全確保について努めているところでございます。以上でございます。
織田勝久
地域と家庭と学校としっかり連携をして、子どもの安全の問題を真剣に取り組まなければいけない、そういうことなんだろうと思うんです。その中で、実は私、昨年からこども110番事業について何回か取り上げさせていただきました。12月の決算審査特別委員会とことし3月予算審査特別委員会で具体的に質疑もさせていただいたわけでありますが、その都度、市民局長と教育長、この事業の有用性をしっかりとお話をされて、とにかく大変有効な手だてであるから、この制度拡充に向けてしっかり取り組みをされる、そのような御答弁をいただいているわけであります。
そこで早速、市民局長にお伺いをいたしますが、市内114校区、そのうち未実施がまだ7校区あるわけであります。その後の進捗状況について、また未実施地区について、どうしてそれがなかなか実施されないのか、その原因についてお伺いいたしたいと思います。
市民局長(髙阪三男)
こども110番の進捗状況についての御質問でございますが、本事業は、川崎市青少年の健全な育成環境推進協議会が、各小学校区のこども110番実施委員会の支援を行っているところでございます。未実施の7校区につきましては、実施委員会の立ち上げに向けてPTAの方々が中心となり、準備を進めていただいているところもございます。
未実施の理由といたしまして、さきの議会でお答えいたしましたように、校区の面積が広く、農地などが広がり、住宅も点在しているため、協力民家・店舗・事業所の数が少ないという地域や、マンション、企業の社宅等の集合住宅が密集し、各戸別にこども110番事業に取り組みづらいという状況など、地域の実情が影響していると伺っております。以上でございます。
織田勝久
実施に当たりましては、所管は市民局でございますけれども、教育委員会の方にも、未実施地区の町会でありますとか、商店会でありますとか、また、それぞれの学校のPTAでありますとか、本当に直接積極的な働きかけを行っていただきたいと思うんです。また、地域でどこにこども110番の家、駆け込める家があるのか、そういうものも周知徹底していただく、そういうことも含めて、教育長に御意見をいただきたいと思います。
教育長(河野和子)
こども110番の未設置地区への働きかけと周知についての御質問でございますが、こども110番の未設置地区につきましては、PTAや地域教育会議等の方々に対しまして、設立に向けた働きかけを学校と協力し、行っているところでございます。今後とも、設立に向けて課題を整理し、実現に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
また、こども110番の広報につきましては、各学校のPTA広報紙、学校だより等で、より一層周知できるよう取り組んでまいります。以上でございます。
織田勝久
せっかくのいい制度でありますので、本当に子どもの安全のために少しでも早い未実施地区の解消を図るべきと考えます。市民局長、具体的な時期の目標をお示しください。
市民局長(髙阪三男)
こども110番の事業推進についての御質問でございますが、 未実施校区における事業推進につきましては、今月に、川崎市青少年の健全な育成環境推進協議会が各区でこども110番情報交換会の開催を予定しておりまして、未実施校のPTAの参加も積極的に御案内しているところでございます。地域の子どもは地域で守る、という事業の本旨を御理解いただき、できるだけ早期に実施されるよう働きかけてまいります。以上でございます。
②新総合計画について
織田勝久
これからもしっかりと推移を見守らせていただきたいと思います。
それでは、次に参ります。新総合計画について何点かお尋ねをいたします。7月下旬に基本構想の素案がいよいよ示されるということで、今から大変楽しみにしておりますが、しかし、現時点では残念ながらどうも全体像が見えにくい感じがするわけであります。今議会の各会派の代表質問、総合計画が取り上げられましたけれども、その質疑の中をいろいろと注目をしておりましたけれども、それに対するそれぞれの答弁の中でも、残念ながらその具体的なものが浮かんでこない。抽象的な言葉というものが非常に躍ってはいても、具体的なイメージ、本市のまちづくりの方向性というものが見えてこないなという気が率直にいたします。なぜだろうといろいろと考えてみたんですが、中間報告は確かに文章としては非常によくできている。しかし、文章としてむしろ整い過ぎていて、かえってめり張りが弱くなってしまっているのではないかと、そんな印象を持ったわけであります。
そこで、新総合計画を一言でイメージをするならばどのように表現ができるのか。例えば、大変格調が高いと評判になっております長野県の総合計画審議会答申を見ますと、「未来への提言~コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命~」と、大変大きな夢のあるタイトルがつけられておりまして、協働の仕組みをコモンズと定義をいたします。地域のすぐれた個性に注目し、地域を再生していくとの明確なメッセージ、そういうものが見てとれるわけであります。また、現行の2010プランにしましても、基本目標である「地球市民の時代における人間都市の新たな創造」と、これもそれなりに前向きのメッセージを読み取ることができると思います。せっかくの新総合計画の策定でありますから、130万市民が将来に大きく夢と希望を持つ、そのようなことをイメージできるような、何らかの表現があってしかるべきと考えます。
そこで市長にお伺いいたしますが、新総合計画による川崎のまちづくりの方向性や理念を平易なわかりやすい一言で表現するとどのようになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
市長(阿部孝夫)
新たな総合計画の表現についてのお尋ねでございますが、これからのまちづくりを考える上での重要なポイントは、川崎の持つポテンシャルを生かすとともに、さまざまな主体が力を合わせ、まちづくりや地域の課題解決、そして川崎の魅力づくりなどに取り組んでいくことであると考えております。こうした考え方を一言で表現するようなわかりやすい言葉につきましては、現在、総合計画策定検討委員会及び総合計画市民会議にも検討をいただいているところでございまして、その御意見を踏まえながら、基本構想素案に合わせて明らかにしてまいりたいと考えているところでございますけれども、これからの時代を持続可能にする、あるいは支え合い、あるいは特色や長所を伸ばすといったことが重要であろうかと思っております。以上でございます。
織田勝久
さて、新総合計画のイメージを喚起させるためには、あくまでもその主体、言いかえれば主役が明確であることが大変重要であろうと思います。もちろん主役は市民であります。中間報告の中には、「市民」という文言は大変たくさん出てまいりますが、しかし、どうも市民の定義があいまいであるように感じられるわけであります。例えば、行政と協働の対象としての市民とか、行政サービスの顧客対象としての市民などといった表現が出てまいりますが、前者は個人の自主的な判断に基づいた自主的な行動を尊重する市民、後者は行政の後見的保護を受け、また、社会の大勢に同調しやすい大衆的側面を持つ市民、そのように読みかえることができるのかなと思います。
自治基本条例もそうでありますが、新総合計画もいわゆる市民の身の丈、しょせん市民の身の丈に合った計画でなければ実効性がないと存じますので、市長の市民の定義についてお聞かせいただきたいと思います。
市長(阿部孝夫)
「市民」の定義についてのお尋ねでございますが、市民本位のまちづくりを進めるという市政運営に対する基本的な姿勢の中で、「市民」は、川崎に暮らし、働き、学び、活動している方々を対象に幅広く考えているところでございます。一方、行政との関係から見てみますと、分権の時代にふさわしいパートナーシップの担い手としての市民や、地域での自立的な活動の主役としての市民、行政サービスの顧客としての市民など、それぞれの場面において多面的でありますので、それぞれの関係の中で、行政として適切に対応していくことが重要であると考えております。以上でございます。
織田勝久
ぜひ、いずれ機会があれば、市長と一杯やりながら、「市民」の議論をさせていただけると本当にうれしいなと思います。ありがとうございました。
私も川崎新時代を切り開いていくためは、やはり市民との確固たるパートナーシップ以外にその起爆剤はないと確信しておりますし、また潜在的な川崎の市民力に大きな期待と希望を寄せる一人でもあります。公でもない、私でもない、協働の部分が重要な役割を担うのは時代の要請と存じますので、これは市長のよくおっしゃる共助の部分と重なるのかなと思います。これに関連して、中間報告に示されました基本政策の6つの柱に即して、何点か質問を続けてまいりたいと思います。
「幸せな暮らしを共に支えるまちづくり」の中には、自助、共助、公助の基本的な考え方を根づかせる、また地域で確かな医療を提供するなど方針が示されております。その方向性に合わせて、行革プランにて、社会環境の変化に合わせた施策の再構築として廃止する方向で検討中とされている向丘診療所について、お伺いをしたいと思います。
議会に陳情が出され、本年2月16日に健康福祉委員会で審査がされました。その際、大変真摯な議論がなされて、今後の検討課題ということで大きく2点に整理をされたと理解をいたしております。すなわち1点目は、公共施設の少ない宮前区で現在のミニデイや訪問看護ステーションの活動を初め、まさに地域の共助の活動拠点としての場の確保の必要性の再認識がされたこと、2点目は、小児科を中心とした地域医療の充実の視点から市民の要望を含めて検討していく、以上2点に集約できると存じます。
健康福祉局内で診療所跡地利用検討委員会が設置をされ、4月20日に第1回、そして今月24日に第2回の委員会が開催されると伺っております。その検討内容とあわせ、この間地元医師会と小児科存続または誘致に関してどのような議論をされてきたのか、さらにこの間、地域住民にどのような説明責任を果たしてこられたのか、健康福祉局長に伺います。
健康福祉局長(井野久明)
向丘診療所廃止後の跡利用についての御質問でございますが、初めに、健康福祉局内検討委員会での検討内容でございますが、去る2月16日に開催されました健康福祉委員会における、向丘診療所閉鎖に伴い小児科の存続と施設利用について市民との協議を求める陳情書の審査を踏まえ、本年4月20日、局内に検討委員会を設置いたしました。これまでの検討内容でございますが、向丘診療所の施設規模や利用状況等に基づき、健康福祉局内における跡利用の方策について検討を行ってきたところでございます。
次に診療所の跡利用にかかわる地元医師会との協議についてでございますが、宮前区における小児医療の方向性を含め、局内検討委員会での検討の進捗に合わせて、今後、早急に地元医師会との情報交換に努めてまいりたいと存じます。
次に、地域住民への説明についてでございますが、これまで宮前区区づくりプラン推進委員会の方々を中心に、本年5月中に3回ほど現状についての情報提供を行い、御要望等をお伺いしたところでございます。今後は宮前区とも連携し、幅広く対応してまいりたいと存じます。以上でございます。
織田勝久
今、この施設を使っております、いわゆるミニデイにしましても訪問看護ステーションにしましても、実はこれが開設された当時は、限りなく行政からの要望に近い形でスタートしたわけでありました。まさに共助としての活動の嚆矢として、高く評価されるべきであると思います。活動の支援を強化することはあっても、活動拠点を取り上げるなどということは、まさに言語道断であります。
市長は、小児医療費助成制度見直しという見識を今議会でお示しになりました。特に就学以前の子どもが多い宮前区の特性からも、小児医療の充実は優先度の高い課題であろうと認識いたしております。2月の委員会審議の折、当時の健康福祉局長は、跡利用について、全庁的な議論の中で、既存の活動の再生利用について、局の立場で主張していきたいと発言をされております。また、向丘診療所のあり方を、地域医療対策、特に小児医療充実の方向での全体像をきちっとつくって、その中で市民と協議をしていくとの方向も示されました。
以上の議論を踏まえ、向丘診療所の方向性と新総合計画との関連について、健康福祉局長、御答弁ください。
健康福祉局長(井野久明)
向丘診療所の方向性と新総合計画との関連についての御質問でございますが、向丘診療所につきましては、現在、地域医療の供給拠点という本来の機能のほか、ミニデイ及び訪問看護ステーションと、地域活動の拠点としての役割も果たしており、今後の跡利用に関しましては、地元住民の方々からもさまざまな要望をいただいております。一方、建物の老朽化の問題もございますので、これらを踏まえながら、新総合計画策定の中で、関係局区・団体等と協議を進めながら、今後のあり方について、検討を積極的に進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
織田勝久
これについては重ねて要望させていただきたいと思うんですが、せっかく委員会の審議の中でこれだけの議論をさせていただいて、それで一定の方向性を局が示されたわけですから、今後の新総合計画の中でも、その議論が前提となって、しっかりとその見識が示されますように、また、とにかく方向性が決まってから、こうなりましたと地域の皆様に御説明するということではなくて、市民の皆さんの御意見をいただきながら、この診療所の跡利用の問題をどう考えていくのか、そういうことを健康福祉局の中でしっかりと取り組んでいただくことを重ねて要望してまいりたいと思います。
さて、次は「人を育て心を育むまちづくり」に関連して、生涯学習の拠点として期待される有馬・野川市民館・図書館分館問題について伺います。まず初めに、教育委員会は社会教育課を生涯学習推進課として平成9年に改編をいたしました。その理由を教育長、お聞かせください。
教育長(河野和子)
組織改編についての御質問でございますが、生涯学習社会に対応し、地域において市民が主体的に行っている生涯学習活動を支援していく体制を整備することを目的に、平成9年4月1日、社会教育部社会教育課から生涯学習部生涯学習推課課へと組織改編を行ったものでございます。以上でございます。
織田勝久
簡単に申し上げますと、今まで行政が全部、準備、段取りをして、まさに社会教育として市民に与えていたという視点から、むしろ市民の自主的な学習意欲、そういうものを尊重するということでの組織改編かなというふうに理解をいたしております。これは、国の方向転換ともまさに一致をしているわけでありまして、そういう意味では、地域の本当に主体的に物を学びたい、学習をしたい、そういう市民の皆さんの要望、ニーズを大切に施策をつくり上げていくという、教育委員会の一つの決意なのかなというふうにも理解しているわけであります。
5月20日に分館推進協議会の皆さんが早期開館に向け市長に要望を行ったとお伺いをしております。その折、市長から、分館整備事業については区へぜひ権限を移譲していきたい、また、分館整備を重要案件として進めていきたい、事業中断であっても新総合計画で検討したい、市民のコミュニティー活動推進としてぜひ考えていきたい等々、御意見が述べられたと仄聞をいたしております。
総合計画の中間報告で述べられているように、地域の課題を身近な地域で解決する仕組みをつくることは、分権の時代、基本的な考え方は大賛成であります。しかし、だからこそ、歩いて行ける範囲に自助、共助の活動の拠点が必要と考えます。共助の場、活動の場、連携の場の確保と仕組みの制度設計は行政の最低の役割と考えます。
例えば、横浜市では、行政区ごとに歩いて行ける範囲に生涯学習と地域コミュニティーの核としての地区センターがあります。しかし、公共施設が相対的に少ない川崎市にあって、特にその中でも貧困地域と言われて久しい宮前区は、宮前市民館と菅生分館しかありません。菅生分館は言うに及ばず、宮前市民館ですら、特に野川・有馬地区からは大変アクセスが不便であるわけであります。
教育プランの中間報告でも、社会教育改革重点施策の「改革の方向性」の中で、市民館を、行政区レベルでの市民の学習や活動を支援する拠点と位置づける等々、また、「「図書館」は、情報化社会に対応した情報提供の拠点としての整備を図るとともに、市民と協働して川崎発の情報発信に取り組みます。」云々と書かれているわけであります。
さきの我が会派の代表質問で、行革プランの方向性に対するいただいた答弁では、Dランクと、さらに例示すらされなかった事業についても、新総合計画策定作業の中で「事業の必要性、有効性、緊急性あるいは計画の熟度や費用対効果等の観点から、改めて優先順位などについて検討してまいります」と、総務局長が含みのある答弁をされているわけであります。
分館建設予定地の旧公設市場建物の維持管理費は、教育委員会へ所管が移った平成11年度から平成15年度までを見ただけでも、合計して294万176円が維持管理費にかかっているわけであります。また、日ごろの管理をかぎを預ける形で地元の自治会長に無償でお願いしているのが実態であります。地元に積極的に活用もさせず、解体もせず、むしろ危険な状態のまま放置をし、さらに高額な維持費を垂れ流している現状を放置するのか、それとも生涯学習の拠点として、市民力の発揚の場、地域の共助の場として、市民館・図書館分館を整備するのか、市民はその動向を大きく注目しているわけであります。
今後の方向性、また、総合計画との関連について、市長の御見解を伺いたいと思います。
市長(阿部孝夫)
有馬・野川地区市民館・図書館分館についてのお尋ねでございますが、仮称有馬・野川地区市民館・図書館分館につきましては、市民の皆様とのパートナーシップにより、ワークショップなどを開催し、さまざまな意見交換を行ってきたと伺っております。今後の方向性につきましては、これまでの経緯を十分に尊重しながら、総合計画の策定作業の中で検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
③コミュニティビジネスへの支援策について
織田勝久
市民のパートナーシップ事業としてこれまで積み上げてきた経緯というものを尊重していただいて、これからもまた、その推移を見守ってまいりたいと思っております。
続いて、「活力にあふれ躍動するまちづくり」に関連して、コミュニティービジネスに対する認識についてお伺いをしたいと思います。行政にかわる新しい公共サービスの担い手として、大きく注目がされているわけであります。また、地域の問題解決という共通の目的を持って協力し合うことで、地域のつながりの再構築が期待できます。また、多様な雇用形態に合った雇用を創出する大きな可能性があるわけでもあります。
以前、経済産業省関東経済産業局が管内各自治体に対して、地方自治体におけるコミュニティービジネス、NPO法人の活動に対する支援策に関する調査を行いましたが、その際、残念ながら本市からは該当する施策が存在するとの回答がなかったと伺っております。現在、本市における調査結果を取りまとめ中とのことでありますが、先行して行われました、例えば財団法人東京市町村自治調査会や横浜市の報告などの調査結果では、資金繰りが苦しい現状、スタッフの技術、能力の不足、スタッフの不足・高齢化、事業立ち上げ時の場所の確保など、幾つかの問題が指摘をされています。いずれ公表される本市の調査結果でも、大体似たような傾向が示されると思います。
新総合計画の中で、NPOなどが行うコミュニティービジネスを地域コミュニティー再生の核として位置づけ、例えば杉並区のNPO支援基金のように支援制度を導入するつもりはないか、支援策について経済局長に伺います。
経済局長(植松了)
コミュニティービジネスへの支援策についての御質問でございますが、コミュニティービジネスにつきましては、地域経済の活性化や雇用の創出、新しい公共サービスの担い手などとして、また、新たな産業の芽を出す主体の一つとして期待しているところでございます。
昨年度、市内のコミュニティービジネスとして想定される事業につきまして実態調査を行いましたが、その中でも、御指摘のように、事業運営上の課題として、スタッフ不足や高齢化、情報を発信していく手だての不足、立ち上げ時の資金や活動場所の不足などが挙げられておりまして、そうした課題について幅広く把握することができたと考えております。今年度はこの調査結果などを踏まえ、連携のあり方、行政の役割、支援方策などについて他都市の先進事例なども参考にし、地域の活力の担い手としてのコミュニティービジネスの育成を図る観点から、関係局と調整し、支援策等を含め、具体的施策を検討してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
織田勝久
時間がなくなってまいりましたので、恐縮ですが1点飛ばさせていただいて、新総合計画における地域コミュニティー交通の位置づけについて、先にまちづくり局にお伺いしたいと思います。
コミュニティーバスの実証実践がされ、地域ではコミュニティーバスの運行の期待が大変高まっております。特に、本市の北部に集中する交通不便地域の解消ももちろん大きな命題ではありますが、地域コミュニティー再生の視点からも積極的な導入が望まれるわけであります。すなわち、超高齢社会を迎える中で、特に宮前区を初め、山坂の多い北部地区の特徴から、駅を初め病院、各種公共施設などをきめ細かく巡回するコミュニティーバスの導入が不可欠と思われます。
さらに、このコミュニティーバスの運行路に商店会や商店街を組み入れて、従来の買い物をする場所としてのみの地元商店街から、市民の情報交換や生活交流の拠点としての商店街に生まれ変わる大きな転機にもなると考えられます。もちろん、先ほど申し上げましたNPO等のコミュニティービジネスも、その中で大変有用かと存じます。
例えば、商店街の中に一時保育施設を設けたり、高齢者介護のデイサービス施設を設けるなど、商店街利用者の交流を活発にすることで、地域コミュニティー再生が図れる、これが大きな一つのポイントかと思っております。そのような点からも含めまして、新総合計画における地域コミュニティー交通の位置づけについて、まちづくり局長にお伺いをいたします。
まちづくり局長(木下真)
新総合計画におけるコミュニティー交通の位置づけについての御質問でございますが、現在、総合計画の策定に合わせ、総合交通体系の見直し作業を行っているところでございます。コミュニティー交通につきましては、道路、鉄道など基幹的な交通体系や、地域の骨格を形成するバス交通などで対応し切れない交通空白・不便地域、高齢者など交通弱者の対応など、バス路線を補完する重要な機能として考えております。昨年度に行いました運行実験の結果からも、高齢者の利用率が高く、交通弱者の移動手段の確保は重要な課題であると考えております。
一方、その具体化に当たりましては、コスト削減、需要に適したルートやシステムの検討などの課題もございます。なお、今年度は地域を主体とした協議会が設置されたところから、ルート選定や採算性など一定の見直しが得られた地区について、走行実験などに取り組んでいく予定でございます。このような取り組みを踏まえて、地域の方々や交通事業者などと協力しながら、地域交通システムづくりの推進を図るという視点で、総合計画に位置づけてまいりたいと考えております。以上でございます。
織田勝久
ありがとうございました。時間がなくなってまいりましたので、2点だけ要望させていただきます。1点は、都市計画マスタープランと総合計画についてでありますが、それぞれの区でいわゆる区民提案、できているところもありますし、進行形のところもございますので、その市民の皆さんが積み上げてきた区民提案の内容を尊重して、ぜひ都市計画マスタープラン、そして新総合計画の整合性をお図りいただきたいと思います。
最後に、新総合計画に区別の計画をどうして今のところおつくりになる予定がないのか。市長は行政区の分権を唱え、「地域の魅力が輝く自治と風格のまちづくり」の視点からも、どうも不可解でございます。市長にお伺いをいたします。
市長(阿部孝夫)
区別の計画についてのお尋ねでございますけれども、総合計画の策定に当たりましては、各区におけるさまざまな課題に対する解決策を的確に盛り込むために、各区のまちづくり推進組織などの御意見を広く伺うとともに、庁内における各政策別の議論についても、各区が主体的に参加しながら進めているところでございます。こうした議論を踏まえながら、実行計画の中で、各区における具体的な施策展開につきましてお示しをしてまいりたいと考えているところです。
また、区を中心に身近なまちづくりを進め、地域の課題解決を図ることが重要であると考えているところでございまして、こうしたことから、総合計画の策定に合わせて、自治基本条例の策定や区行政改革の取り組みを進めているところでございます。このような市民自治と協働のよりどころとしての区への分権の仕組みづくりをしっかりと位置づけた上で、これに基づく市民の自主的な参画による具体的なまちづくりや、課題解決のための行動計画のあり方について考えてまいりたいと存じます。以上でございます。
織田勝久
ありがとうございました。時間になりましたので終わります。
