
①北部市場中長期プランと川崎冷蔵経営問題について
おだかつひさ
卸売市場事業特別会計に関連して、川崎冷蔵株式会社の経営問題について伺います。
さる2月19日の第8回川崎冷蔵経営問題等検討委員会での中間報告をうけて、さきの代表質問でその課題についてとりあげました。結局市場会計に穴をあける「支援策」の拡大として1300万円上乗せをする、ということが示されただけであります。
この間、検討委員会では、川崎冷蔵の課題解決の選択肢のみは抽出されております。
内部努力、支援の継続、第3冷蔵庫の市の買い取り、事業再生ADRの活用、民事再生法の活用、モラトリアム法の活用、存続を前提、株式の売却、川冷を清算し別の冷蔵機能維持の方法を検討、などなどであります。
私は、もはや川冷は清算して、別の冷蔵機能維持の方法を検討するしかない、と考えています。
休眠していた検討委員会を私からの指摘であわてて再開し、ワーキング会議を6回、検討委員会を8回も開催していながら、この結論では、無為無策の「小田原評定」と断定せざるを得ません。
あらためて北部市場の取扱金額の推移を確認すると、昭和58年度563億円から平成20年度の317億円と水産部門の落ち込みが特に激しく、この先も落ち込みの予測がたたない状況であります。この水産部門のために川崎市の税金で整備されたのが川崎冷蔵株式会社ということであります。
平成18年度の包括外部監査で、川冷への会計処理のあり方全般の改善が厳しく求められました。
ところが、この指摘以後も、財務に粉飾が見られます。即ち、「長期借入金」で返済が一年以内になったものに関しては「1年以内返済予定の長期借入金」などに項目変更し、固定負債から流動負債に残高を移すのが、会計基準の原則と思いますが、経済労働局の考え方を伺います。さらに、今後項目計上のあり方を改めるのかどうか伺います。
また、この項目替えを行うことにより、平成18年度19年度、20年度それぞれの流動比率と当座比率の数値がどのように変化するのか伺います。
また、同じく粉飾の対象とされやすいといわれる、売掛金の内容について問題はないのか伺います。
経済労働局長
川崎冷蔵株式会社の長期借入金の会計処理等についての御質問でございますが、川崎冷蔵株式会社は、貸借対照表上、一年以内に返済する予定の長期借入金について、これまで長期負債に計上しておりまして、このような処理は、税法上問題が無いとのことでございますが、会計基準とは異なっておりますので、今後、会計基準に沿って流動負債に計上するよう同社を指導してまいりたいと存じます。
会計基準に基づきますと、平成18年の流動比率は821%から126%に、当座比率は809%から124%に、平成19年の流動比率は851%から132%に、当座比率は838%から130%に、平成20年の流動比率は912%から119%に、当座比率は899%から118%になるところでございます。
次に、売掛金についてでございますが、川崎冷蔵株式会社に確認したところ、特に回収が難しい債権は含まれていないとのことでございます。
おだかつひさ
突然で恐縮ですが、市長に伺いますが、市長が仮に株式の投資などをお考えになる場合、企業の実力を判断する3つの指標、すなわち、「安全性」「収益性」「成長性」という指標のなかでどれを最重点に判断されるのか伺います。
市長
残念ながら、投資の専門家ではないので、存じかねます。
おだかつひさ
残念ながらよくご存じない、とのご答弁でした。一度ゆっくりとレクチャーでもして差し上げたいと思いますが、最優先すべき指標は、何といっても「安全性」であります。
お金を投資しても、還ってこなかったら困りますし、材料をうっても、お金が支払われなかったら、これも困ります。この企業の短期的な安全性を判断する指標が「流動比率」と「当座比率」であります。中長期的な安全性の指標として「自己資本比率」がありますが、これは過小資本といういとで、例年マイナスでありますので、粉飾の仕様がない状態なんだろうと思います。
財務諸表を見ていて、「流動比率」と「当座比率」の数字だけをみるとこれは超一流企業なんですね。「流動比率」は140%以上、「当座比率」は90%以上が一応の目安とされておりますので、粉飾上の例えば平成20年度でみると「流動比率」が912%とか「当座比率」が899%とか素晴らしい実績の企業にみえるわけです。
包括外部監査の指摘で「一般に公正妥当と認められる会計処理の原則もしくは手続き」を遵守するよう指導すべきと指摘されているにもかかわらず放置され、さらに内部の議論でも粉飾されたデータで経営内容を議論していた実態が明らかになりました。
次に、市場会計に穴をあける、いわゆる「支援策」について伺います。そもそもこれを行う制度的な根拠は何か。また要綱などあるのか。さらに、この「支援策」が実施されるにあたっての与条件は何であったのか。またその総括について伺います。
さらに、青果部門、関連部門の使用している冷蔵庫について川崎冷蔵と同様の「支援策」を行っているのか、伺います。
経済労働局長
川崎冷蔵株式会社に対する支援策についての御質問でございますが、平成13年度に、流通環境の変化や景気低迷の影響により、第3冷蔵庫の建設時に予定した売上高に至らず、経営状況が悪化したため、川崎冷蔵株式会社の経営改善を促すとともに、本市としてできる支援策について検討委員会を設置し、取りまとめたものでございます。
また、この支援策の検討に当たりましては、本市が所有する第1号冷蔵庫、第2号冷蔵庫の機能低下や低温冷蔵庫の必要性などの課題に対し、所有者としての本市の対応が充分ではなかったということも背景にあり、市場における冷蔵機能の必要性や、川崎冷蔵株式会社の役割の重要性などの視点からも改善策を取りまとめております。
これらの実施によりまして、借入金の返済が滞りなく行われてまいりましたが、市場の流通環境は依然として厳しく、水産物関係の取扱量はその後も減少し、市場内業者の撤退が相次ぎ、また、返済計画の見直しなど経営改善策の一部が実現できていないことなど、厳しい経営状況が続いているところでございます。
次に、青果部門や関連事業者が使用している冷蔵庫についてでございますが、市が設置し主に青果部門が利用する温度管理のできる倉庫及び卸売業者、仲卸業者や関連事業者が独自にそれぞれの店舗等に設置した冷蔵庫については、特に支援は行っておらないところでございます。
おだかつひさ
この答弁で確認いたしましたが、水産部門以外に支援策はない、とのことです。青果は卸が自前で整備しました。
「支援策」については、川崎冷蔵㈱経営状況調査委員会報告にはじめて登場し、この折りは平成13年から17年度までの収支表が添付され、「この支援策をおこなうことにより経営は改善する」とされています。
その後、この検証をしっかりと行わずに「ずるずる」と支援策を続けてきたわけです。
次に、平成18年度の包括外部監査での指摘をうけた、「適切な取締役会」のあり方について、監査後どのように改善されたのか伺います。
経済労働局長
適切な取締役会のあり方についての御質問でございますが、川崎冷蔵株式会社の取締役会は、本市の関係者を除くと利害関係者が残りの取締役を占めているなど、取締役会での審議の方法に課題がございます。これまでも、社外取締役の招聘につきましては、企業や金融機関などに働きかけを行ってまいりましたが、同社の経営状況、報酬・責任などの問題もあり、実現に至っていないところでございます。
引き続き、社外取締役の招聘について取り組むよう指導してまいります。
おだかつひさ
取締役の社長は市のOBです。市場長はもちろん、市の職員です。ほかに取締役の4人監査役の1人すべて市場の取引先である企業もしくは、事業体の経営責任者でありますので、問題点を端的に指摘すると、川冷の冷蔵庫使用料の値上げを議論できない、ということです。特別利害関係人のみで利害の調整が不可能と包括外部監査でも指摘されている通りの状況です。
つぎに検討委員会のなかで、川冷の経営改善にむけて、市場外業者の利用拡大をはかることが提案されています。
公設市場という、「市民の台所」という大義名分があるからこそ、場内業者のための冷蔵機能として、巨額の公費を投入して施設整備と第3セクターでの会社設立をおこなったのではなかったのか。「市場外業者」の利益のために公費を投入して設備整備と「支援策」を講じることは問題ないのか。さらの「市場法」に抵触しないのか、見解を伺います。
川崎冷蔵の経営のおかれた状況は、取扱の減少に歯止めがかからず、経営責能力もなく、「支援策」がイコール「単年度純利益」という実態です。そもそも存続がありえない会社といっても過言ではないと思います。
そこでこれまでの質疑をうけて、市長に伺います。
川崎冷蔵については、財務の粉飾の問題、市場会計には損失となる「支援策」を無原則に継続しても財務の抜本的な改善が図れない問題、さらに包括外部監査での指摘事項である「適切な取締役会」への改善課題が放置されている問題などについて、果たして、市長に局や開設者から「適切かつ正確」な報告と情報を伝えているのか、疑問を感じます。市長の見解を伺います。
また、「適切かつ正確」な、川崎冷蔵に関する報告と情報を承知された上で、わざわざ市場会計には「損失」となる川冷への「支援策」のさらなる拡大をおこなう、との判断を支持されたのか。その判断の根拠について伺います。また「支援策の拡大」について見直すことはできないのか伺います。
市長
川崎冷蔵株式会社についてのお尋ねでございますが、
北部市場は、市民に生鮮食料品等を安定的に供給する重要な拠点でございまして、食の安全・安心が注目される中、生鮮食料品の供給量の調整や品質管理を行う冷蔵機能を一層強化するためには、冷蔵庫の管理運営を行う川崎冷蔵株式会社の役割は、今後も大変重要であると考えております。
本市といたしましては、現在、川崎冷蔵株式会社経営問題等検討委員会において、市場の冷蔵機能に責任を果たすべき開設者の役割や支援のあり方、本市が所有する冷蔵庫への適正な負担などの基本的考え方を整理するとともに、同社のより一層の経営努力を促す経営健全化策を今年度末までに取りまとめ、今後、同社が経営課題を解決し経営健全化が図られるよう積極的に関与し、引き続き指導、監督を強めてまいりたいと存じます。
おだかつひさ
代表質問で「供給量の調整や品質管理を行う冷蔵機能を一層強化し、その管理運営をおこなう川崎冷蔵の役割は、今後とも大変重要と考えております」とご答弁いただいておりますが、私は、北部市場と冷蔵機能が必要であるからこそ、川崎冷蔵は一旦清算し、市場との各種しがらみも清算した上で、あらたな冷蔵機能を存続、維持する方途を検討すべきと考えます。
行財政改革プランにも、川崎冷蔵の今後の方向性について「本市の関与の低減にむけた取り組みを進めます」とあります。「支援策」の拡大どころか、見直しが必要です。ましてや4億5000万円もかけて、新たな冷蔵庫を作る計画など論外であります。
とりあえず、引き続き、年度末まで策定予定の経営健全策を厳しく注視してまいります。
②自動車運送事業会計に関連して、市バス事業について
おだかつひさ
自動車運送事業会計に関連して、市バス事業について伺います。
まず、自動車運送事業会計の人件費にかかわる予算額と決算額に大きなひらきがある問題について伺います。
平成17年度は2億5700万円、平成18年度は1億4900万円、平成19年度は3億9100万円、平成20年度は5億7200万円といずれも予算額が大きく上回っております。
平成21年度の予測はどのくらいか。また、赤字予算をわざわざ編成しているにもかかわらず大きな不用額が生じている訳でありますので、この原因について、また予算計上のあり方で改善すべき点はないのか伺います。
交通局長
人件費の予算額と決算額の差についての御質問でございますが、自動車運送事業会計の人件費につきまして、例えば、平成20年度予算では64億8,600万円余を計上し、決算額は59億1,400万円余でございましたので、差引の不用額は5億7,200万円余となったものでございます。
この不用額は主に、退職者数が想定を下回ったことによる退職給与金の減、職員数が当初計画を下回ったことによる給料の減、効率的なバス運行や事務執行によって縮減を図ることができた時間外勤務手当の減などによるものでございます。
平成20年度におきましては、上平間営業所の完全委託化を実施したことに伴い、職員配置等に大きな変動がありましたことから、例年に比べて不用額が大きく生じたものと考えております。
いずれにいたしましても、事業計画等に基づく適正な予算額を計上することは、経営上の基本でございますので、今後とも慎重な算定に努めてまいりたいと存じます。
おだかつひさ
ご答弁いただきましたが、あえて、市バス事業の経営の厳しさを強調する意図、悪意があるのではないのか、と邪推したくなる数字の大きな乖離であります。
特に、運転手を中心にした人件費の削減については労使をあげて必死に取り組んでいる訳であります。
平成18年度から21年度まで4年間期末手当の調整による段階的な削減というか、返還が行われております。削減額については、平成18年度から21年度まで合計で1億3000万円にも及ぶ訳であります。ちなみに21年度は最大54万円にもなっております。
22年4月から、現給補償といわゆるF表との差額もなくなり、市の技能職として交通局の運転手のみが給与の10%カットとなります。
交通局は、内部の努力への評価も市民へしっかりとアッピールして頂きたい。
さて、川崎市バス事業ステージアッププランのなかで、「井田営業所の管理委託」が重要施策として示されています。実行については、ステージアッププランが平成25年度までとなっておりますが、具体的に本年度から開始すると時期は示されておりません。
本年度の局の再編のなかの目玉がまちづくり局に「交通政策室」を設置して、「本市の都市機能の一層の向上と、円滑な交通機能の確保に向け、本市の交通ネットワークを構築する新たな総合交通体系を策定する」ことを目標としております。
平成24年度までの策定予定とのことですから公営交通としての市バスの役割り、行政路線の位置づけなども当然議論の対象になると思います。
交通局としても、交通体系を構成する公共交通機関の1つとしてのバス事業のあり方や、公営バスの役割りについて検討し、反映させるとしています。
私は、この策定をうけて、平成19年度から23年度までの上平間営業所の管理委託の評価と、さらにバス事業者の再委託が再度可能であるかの確認を行ってから、新たな「井田営業所管理委託」を行う方が堅実で確実な方法であると思いますが、管理委託を急ぐ理由について伺います。
交通局長
営業所の管理委託についての御質問でございますが、営業所の管理委託の拡大につきましては、平成20年8月の「川崎市バス事業経営問題検討会」の答申を受け、昨年3月に策定した『川崎市バス事業ステージアップ・プラン』において、「井田営業所の管理委託」を経営力の強化に向けた重点施策の一つとして定め、取り組んでいるところでございます。
営業所の管理委託につきましては、上平間営業所での実績に基づき、市バスネットワークの維持と経営改善等に十分な効果が得られるものと判断したことによるものでございます。
次に、井田営業所の管理委託時期についてでございますが、『ステージアップ・プラン』における収支見込において、現状のままでは大変厳しい経営状況となることが見込まれ、また、一昨年の秋以降、世界的な景気の後退に伴う乗車料収入の大幅な減少が続いていることなどから、管理委託をはじめとする『ステージアップ・プラン』に定める取り組みを、できる限り早期に実施する必要があると考えております。
このため、井田営業所の管理委託に向け、労働組合と精力的に協議を重ねておりまして、その上で、受託者の募集・選定を行ってまいりたいと考えております。
おだかつひさ
上平間営業所の再委託については、臨港バス株式会社の今後の経営動向が注目される訳であります。
この4月から管理委託を行っている、子会社が親会社に事業統合されることにより、現委託会社バス運転手の給与等が上方に修正されることは確実とみられます。
平成24年度以降の再度委託更新への懸念はないのか。また万が一、受託事業者が現れなかった場合、民間バス事業者への「バス路線民間譲渡」は想定しているのか伺います。
交通局長
上平間営業所の管理委託についての御質問でございますが、上平間営業所につきましては、平成19年度から「臨港グリーンバス株式会社」に管理の委託をしているところでございますが、同社は平成22年3月末日をもって、親会社の「川崎鶴見臨港バス株式会社」に事業統合されることから、平成22年度以降は、「川崎鶴見臨港バス株式会社」が引き継ぐこととなっております。
管理委託の期間は、平成19年度から平成23年度までの5年間でございますが、平成24年度以降につきましても、市バスの主要営業所である上平間営業所の安定的な運行を確保することは何よりも重要でありますので、委託手続などに余裕を持って対応していきたいと考えております。
また、市バスの運行体制につきましては、『川崎市バス事業ステージアップ・プラン』に基づき、直営2営業所、委託2営業所の体制をもって市バスネットワークを今後も維持し、市民の大切な交通手段としての役割を果たしてまいりたいと存じます。
おだかつひさ
「上平間営業所の安定的な運行を確保」とのご答弁ですので、「民間譲渡」はない、と理解いたしますが、行政路線の役割り、位置づけなどを含め。これからの「総合都市交通体系」と市バスの役割りについて、地下鉄問題とあわせて注視して参ります。